同時代史料(=1次史料)
「山中文書」(徳川家康書状写)(1582.6.4)
「和田家文書」(家康起請文写)(1582.6.12)
『家忠日記』(1577~1594、松平家忠)※家忠は三河・大浜に到着した家康一行を迎えに行っている。
江戸初期成立文書
『石川忠総留書』…成立年不詳、著者は石川忠総(1582-1651)、乾坤2冊。本書によると、実父・大久保忠隣、養父・石川康通ともに伊賀越え随行者であるが、忠総本人は天正10年に生まれたことを考慮する必要がある。
『慶長見聞記』…『慶長見聞集』(1615、三浦浄心)とは異なるが、同時代に成立した見聞録と考えられる。著者不詳。
『三河物語』(1622、大久保忠教)大久保忠教(1560-1639)は当時23歳だった。
『戸田本三河記』…三河物語の系譜を引く書と考えられるが、内容に差異が少なくない。
『当代記』…寛永年間(1624~1643)に成立、著者不詳、松平忠明との説がある。天文~元和元年の記事で構成される。
『天正日記』…内藤清成著と伝わるが、他書との矛盾や、言い回しから後世に作られた偽書との指摘がある。
「新重左衛門尉末次提出文書」(1650)…山口城主・山口甚介配下の新末景の子・末次が、京都所司代から命じられ、親より聞いた内容を提出した。内容が極めてリアルで、史実に近いのではないかと考えられる。
『石川正西見聞集』…松井松平(当時は石見浜田藩)藩主・松平康映の命で、家臣石川正西によって書かれた。1660年成立。
『武功雑記』(1696、松浦鎮信)…諸士諸将の武功を集成したもの。
『譜牒余録』(1799)…『貞享書上』(1684、諸家の古文書・家伝の集成。『寛政重修諸家譜』の基礎資料の1つ)を検索しやすく再編集したもの。成立は1799年だが、内容は1680年代のものである。あくまで家伝なので、信憑性には、その記事によりばらつきがある。
論文・書籍
久保文武『伊賀史叢考』「家康の伊賀越危難考」(私家本, 1986年)
藤田達生「伊賀越え再考」(『愛知県史研究』第9号, 愛知県, 2005年)
渡辺俊経「「甲賀忍者論」入門」(『地域の歴史』Ⅳ, 甲南地域史研究会, 2015年)
前川友秀「死守できるか?運命の天正伊賀乱!」(『伊賀暮らしの文化探検隊レポート』vol.12, 2012年)
『愛知県史』資料編11織豊1「特集 本能寺の変と徳川家康」(愛知県, 2003年)
『大日本史料』11編の1(東京大学史料編纂所, 東京大学出版会, 1988年)
『宇治田原町史』第1巻(宇治田原町, 1980年)
『鈴鹿市史』第2巻(鈴鹿市, 1983年)
江戸後期成立文書
『徳川実紀』(1849、成島司直) /『神祖泉堺記事』(1750頃、柏崎永以)/他に、各家・集団の由緒書。特に『伊賀者由緒記』を始めとする伊賀者の由緒書、『角屋七郎次郎由緒』、『茶屋由緒記』
史料目録
『愛知県史資料編11 織豊1』本能寺の変と徳川家康
家康書状写(山中文書) 家康起請文写(和田家文書) 多聞院日記 天正日記 当代記 老人雑話坤 石川忠総留書乾 石川忠総留書坤 石川正西聞見集 三河物語(下) 信長記(第15) 戸田本三河記 寛永諸家系図伝(酒井忠次、高力清長、本多忠勝) 譜牒余録(紀伊殿、本多中務大輔の1、本多下野守、永井万之丞、永井日向守、小普請の3・天野三郎兵衛康景由来書、処士の上) 寛政重修諸家譜(酒井重忠、榊原康政、永井重元、本多忠勝、井伊直政) 茶屋由緒書 本多家武功聞書
『大日本史料11編の1』
天正日記 家忠日記 当代記 三河物語 石川忠総留書乾 石川忠総留書坤 永日記 譜牒余録(永井万之丞) 原本信長記坤 川角太閤記 寛永伝(酒井忠次、本多忠勝) 寛政譜(本多忠勝、榊原康政、井伊直政) 井伊家譜 寛政譜(高力清長、酒井重忠、永井重元) 茶屋由緒書 呉服師由緒書(註・呉服師亀屋源太郎の由緒書) 寛永伝(山口光広) 譜牒余録(山口藤左衛門) 寛政譜(山口光広) 寛永伝(多羅尾光俊、和田定教) 古文書(和田・記録御用所本掲載・和田家文書) 譜牒余録(山岡瀬兵衛) 寛政譜(上林久茂) 伊賀者由緒并御陣御供書付 伊賀者由緒書 譜牒余録(柘植三之丞) 寛政譜(服部正成、服部保次、伴盛兼) 角屋由緒 日本耶蘇会年報 続本朝通鑑 木俣土佐紀年自記 本多家武功聞書 姫陽秘鑑(4,32) 武辺雑談 老人雑話 御年譜微考 御庫本三河記 戸田本三河記 神祖泉堺記事 武徳編年集成 林鐘談 蓑笠之助伝 寛政譜(蓑) 伊賀国誌 勢陽五鈴遺響 (以下、穴山梅雪関係)花押語彙(穴山梅雪) 印章彙纂(穴山梅雪) 穴山梅雪書像賛 仏眼禅師語録 諸系図(武田) 諸家系図纂(武田) 甲斐国志 南松院文書 仏眼禅師語録(文類、供養の部、銘類) 甲陽軍鑑 老人雑話 雍州府志 家忠日記 水野家譜 明良洪範 鳥居家中興譜