2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧
さて、忍術研究史も最終回になった。第1回、第2回に続いて、今回は伊賀郷土史家の久保文武について触れ、それ以後の忍者研究について考えたい。
前回は足立・山田・尾崎『忍法』の記述に則り、伊藤銀月、藤田西湖、奥瀬平七郎について述べた。同書では他に、井上吉次郎、中西義孝、足立巻一、吉田光邦、山口正之の名前を挙げているが、ほとんど言及されていない。今回はこれらの人物と沖森直三郎、名和…
忍術/忍者研究史について、まとめてみたいと思う。 こんなことをする人は自分以外いないかと思ったが、意外にも昭和中頃に先例があった。昭和39年に出版された足立巻一・山田宗睦・尾崎秀樹共著『忍法』(三一書房)の「マス・コミのなかの忍法」において、…
『萬川集海』(以下、万川集海)は、延宝7年に藤林保武によって編纂されたという忍術伝書で、最も有名な忍術伝書である。その巻数は22に及び、類書の中でも最大級の内容を誇る。好事家にも広く知られていた『万川集海』の訓(よ)みは、ながらく、「ばんせ…
「歴史上の忍者の名前を1つ挙げて欲しい」 こう問われると、「服部半蔵」の名前を挙げる人も多いだろう。 ご存知、服部半蔵正成である。彼は徳川家康の家臣で、「徳川十六神将」にも数えられ、”忍者である”とはちょっと言えそうにない存在だ。ところで、こ…